システム名 | 統合データベースシステム(仮称) |
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機関名 | 佛教大学附属図書館 |
導入年月 | 2005年~ |
URL | 機関リポジトリ BAKER http://archives.bukkyo-u.ac.jp/repository/baker/ ※外部公開データベースの一例 |
システムの概要 | 佛教関連の新聞記事データベース、機関リポジトリ、蔵書点検支援、契約データベースの閲覧システム、新聞記事データベース等、幅広い用途でInfoLibを利用されています。特にAPIを活用した機関リポジトリは非常に使いやすく構築されており必見です。 |
導入インタビュー
通信教育課程の方にも使いやすい図書館を作り続ける佛教大学。
まずは、佛教大学附属図書館について教えていただけますか。
佛教大学附属図書館(成徳常照館)は、1997年4月に竣工し、開館しました。地上5階、地下2階の構造により、地上1~4階には閲覧・学習スペース、開架書架を設置しています。地下1階は開架書庫、地下2階は閉架書庫として、全体で100万冊の収蔵能力を誇っています。また地上5階には学術・文化の催しに幅広くできる多目的ホールを有しています。現在の蔵冊数は、おおよそ100万冊ぐらいです。
二条キャンパス図書室は、2011年4月に開室され、閲覧・学習スペース、開架書架、集密書架を設置しています。なお、図書館資料は紫野・二条キャンパス間で相互に利用することができます。
また、通信教育課程に所属している方にも非常に使いやすい図書館を目指しています。例えば、本の送本貸出と言うものが有って、通信の方って大学に来られませんよね。そうすると、自宅に居ながら本を手にしたいという欲求があるわけで、そのためにこちらから本を貸し出すのに郵送をして受け取ってもらう仕組みを作るとか、そういうことにも注力しています。
それから、今の時期もそうですがスクーリングで夏休み中も来られるので、開館日が多いというのも特徴です。年間320日ほど開いているので、利用しやすいと思いますよ。
佛教関連の新聞記事データベースや機関リポジトリ等に幅広く活用。
InfoLibで構築されているデータベースのご紹介をお願いします。
まず、最初に作ったデータベースは浄土教報(じょうどきょうほう)データベースです。
これは何かというと、明治期から戦前まで、本学の母体である浄土宗の関連機関が発行してきた新聞のデータベースです。全てがそろっているのは日本で本学しかないので、それの電子化をしてメタデータを付与して検索ができてしかも画像をブラウザ上でみられるようなものを構築したのが最初になります。
次に、浄土教報の類似のものとして、教学週報(きょうがくしゅうほう)があります。これも同じような戦前の新聞でして、電子化して同じように学内向けに提供しています。
そのほか、これは浄土宗とは違うのですが同じ仏教系の新聞として明敎新誌(めいきょうしんし)が有ります。これは先ほどの2つの新聞よりかなり古い時代からあるものですが、同じように電子化しメタデータを付与して提供しています。
仏教の新聞に関して、戦前の情報が3誌まとめて検索できる状況を作られているということですね。
その通りです。あと、当然ですが機関リポジトリがあります。機関リポジトリに関してはデザイン面でカスタマイズ化をして、かなり独自色を強めた形で提供をさせてもらっている状況です。
その他では、例えば本学は、いろいろな有償のデータベースを契約しています。どのデータベースに、どんなものが含まれているのか、というのは学生さんには分かりづらいので、データベースの検索システムを運用しています。このシステムは、データベースの内容を検索するのではなく、データベースそのものがどんなデータベースなのかデータベースの紹介を検索するものです。
これは早い時期から立ち上げていて、2008年から今も運用しています。
図書館の契約しているデータベース、このデータベースにはこんなものが含まれている、
このデータベースはこんな内容で使えますよ、などという情報を登録してまして、利用者がキーワードを入れてどのデータベースを見ればよいのかがわかり、そしてそのデータベースに簡単にアクセスできるようなサーチエンジン的なものを図書館の内部だけですけど作っています。
業務支援でも活用。新たなデータベースの構築で利用が10倍に。
佛教大学附属図書館さんのInfoLibの使い方の特徴として、外に向けたデータベースだけでなく、内部の業務支援の用途にも使っていらっしゃいますよね。
はい、その通りです。
業務支援の点でお話しすると、一番は蔵書点検での活用です。
蔵書点検の際に蔵書を片っ端から読み込んでいくと、順序よく読まれてきますよね。その情報と書誌データをマッチングすると、本の配列順データベースが出来るんですよ。
もちろん、ただ単に図書館のシステムで蔵書点検をしていても行方不明になったものは出てきます。
でも、同じ排架場所の分類の中で行方不明になったものは見つからないのですよ、普通は。
ところが、蔵書点検のデータベースという形で、配列順で登録して検索できるようにしておくと、行方不明の図書の番号を入れれば、前の書誌がこれ、次の書誌がこれっというので行方不明の本をすぐ発見できる。歴代分を累積する形でやっていくと、前はここにあった、その前はここにあったとわかって無くした図書が探しやすくなりました。これは結構、業務の中で役に立っています。今、早く更新してほしいと迫られています。(笑)
なるほど、それは我々も想定していなかった活用法ですね。他にもございますか?
そうですね、最近の事例で特徴的なのは、京都新聞データベースというのを作っています。
教学週報、浄土教報、明敎新誌、仏教系の新聞と理屈は一緒ですが、京都新聞社さんがDVDで1カ月の紙面を収めたのを販売されていて、それを学内で利用する際にはDVDを1枚1枚提供していました。最大の問題は、検索できる範囲が1か月分しかできない点でした。
そういった経緯でWEBのデータベース化をしようと思い立ちまして、InfoLib-DBRで今まで作ってきた新聞のシステムが応用できるのではないかと思い、京都新聞さんの許諾を得たうえで、本学でInfoLibを使ってデータベースを作ってみました。
InfoLibはお客様が簡単にデータベースを作れるという点を重視しているので、弊社としても非常に嬉しい事例です。
実はこれ、驚くべき数字があって。今までは月に10回20回のアクセスだったのが100回とか200回とか10倍以上になるような・・今も利用が増えています。そんな効果もありました。(笑)
紀伊國屋書店さんから「InfoLibがいいよ」と聞いたのが始まり。
次に、InfoLib導入していただいた経緯についてお聞かせください。
InfoLibを導入した経緯は、浄土教報の電子化というのを本学でやっていて、それをWEBの形で提供するには、どのようなデータベースやシステムがあるかを調査していたところに、紀伊國屋書店さんから「InfoLibがいいよ」とご紹介を受けて、話を聞いてみようとなったのが始まりです。
早速、InfoLibの話を聞いて、とにかく印象に残ったのは、「データベースを他に増やすことになったら増やせますよ」、ということ。
当時機関リポジトリを考えなければいけない時代でしたので、先を見据えた時にInfoLibで提供すると応用範囲が広いので、長期的に安上がりな面が出ると考えました。
あとは、同じようなソリューションがあまりなかったということ。海外製品で若干あったのですが国内製品で同じようなことが出来るものはなかったので。ならば、これかなと思いました。たぶん2005年あたりだと思う。
最初の導入はそれくらいですね。私も当時から、お付き合いさせていただきました。
そうですね、もう10年近いですね。(笑)
InfoLibを使っていてよかったと思っているのは、データベースを自分たちで自由に構築できて、増やしていけるというところ。そこがポイントです。
アイディア次第で色々と活用シーンが広がりますね。
そうですね、アイディア次第ですね。
最初は機関リポジトリの先しか見ていなかった。いざ実際使ってみてCSVとしてアイディアとして思いつき始めた時に使い勝手がよくなってきた、価値があるという形になりました。
内部の業務的なところで「これをこうしてほしい」とか、「こういうものをなんとかできないか」ということをきかされてそれを「解決しなきゃいけないな」、「考えなきゃいけないな」、という時にInfoLibで実は解決できるのではないかと考えた結果として、新しいデータベースが増えてきたということが大きいですね。
たまに、「こんなことできませんか」と聞かれたときにInfoLibを使って何かできないかな、とまず思ってしまうというのはそんなところからきていると思います。
API機能でさらに自由度が高まった。
導入時、導入後の印象にのこっていることをお聞かせください。
少し辛口な話ですが、新バージョンのハードルが高かった印象がありますね。
バージョン4になったときです。使いたい機能がいっぱいある。アイディアはある。だけど実際に使おうとするとちょっとうまくいかない。ひょっとしたらバグじゃない?というものも有って。
バージョン4は大幅な改修を行ったバージョンでした。おっしゃる通り当時障害もご指摘いただいています。
誠に申し訳ございませんでした。
まままま、結果としては、バージョン4でAPIの機能を持たしてもらったことで、うちの思うようなものができたので印象深いですよね。
APIを持たせるということは、デザインUIの部分を完全に切り離してきたということだと思います。UIの部分を利用者側にゆだねて、そこでの自由度を高めたというのが印象的かな。
バージョン4のAPIを活用されて、機関リポジトリBAKERを作られたという流れになっていますよね。
そうです。うちの図書館としては、機能的という部分では評価できる。と思っていますよ。
マニュアルでは読み取れない、他の活用事例や便利な使い方を知りたい。
今後、当社に期待する点やご要望などありましたらお聞かせください。
InfoLibに関していうと、確かに機能も充実してきて、作りこみもできるようになってきてというところもありますが、豊富な機能を「どう使うのか」という点に、もっとサポートがあった方がよいという気がします。
現状、マニュアルを見たときに確かに立派なマニュアルで分厚いですが、それを見たときに自分たちのしたいことをマニュアルからなかなか判別できないのが現状です。
マニュアルには「こういう風にするとこうできます」とあって、「ふーん、でも、俺がしたいこういうことってできるのかいな?」ということに対して、マニュアルを一生懸命みても追いつかない部分って、きっとあるのではないかということです。
せっかくいい機能を持っているのだから、もっと外に出す、広げられるような仕組みがあってもいいのかな。
弊社のサポートチームのノウハウや裏ワザ的な使い方も含め、もっと情報発信していくというイメージでしょうか。
そうですね。「うちはこんなことしている。」、「他のところはこんなことできています。」という意見を共有できればもっと違うことが見えると思います。テクニック的なところも当然必要ですが。
こういう使い方をしています。こういう見せ方をしています。という情報が見られるのは大切ですよね。まずそれが必要ですよね。
機能が有っても、説明が不十分なために活用されていないものが有るということですね。
いい機能に周りがついていけるようにサポートしてほしい。それが望むところかなと思います。マニュアルに書いてある「こうしたら、こうできますよ」に加えて、「この機能はこういう風に使うと便利ですよ」がほしいですね。
貴重なご意見です。ありがとうございます。
次バージョンのマニュアルには、何かしら対策を考えていきたいと思います。
本日は誠にありがとうございました。
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